ダイレクト増量2
2025.02.10
1からの続き

この注入による増量・味付け方法は、ベーコン、焼豚、鮭、牛タンにも応用されています。いずれにも裏ラベルに「乳化剤」という表示、あるいは「乳、大豆」のアレルゲン表示があればこの方法が用いられていることになります。また同様の考え方で輸入の牛肉に直接牛脂を注入する方法があります。輸入の赤肉はパサパサしていますから、乳化させた牛脂を注射器で注入します。1日置くと水は肉に入り、脂は肉のすき間に残り、霜降り肉になるのです。生の小肉を添加物で結着し、大きな形にするのも増量といえます。現在、食品瞬間接着剤とも呼ばれる酵素(トランスグルタミナーゼ)がよく使われます。サイコロステーキ、ステーキ、ローストビーフ、トンカツなどがそうです。いずれも添加物なしでは作れません。

当会のハムやソーセージは、私が産まれる前からの付き合いがあります。私が4歳くらいでしたが、その風景をまだ覚えています。まず、入り口の黒い大きな犬。たぶん狩猟犬かな。そして、工場の近くには牛みたいな大きな犬。多分セントバーナードなど。そして、その時、私が描いた絵は森の中なのに魚の絵。(笑)。犬しか覚えていない子供でした。今は若い人たちが中心に仕事をしていますが、父の年代の方々を私は皆、好きです。私自身、あまり話はしないのですが、横にいるだけでホッとする感じ。大自然の中の小さな家にいる感じ。ぜひ、一度、ご賞味ください。
ダイレクト増量1
2025.02.07
あらゆる材料の中で安いのは水です。水を食品に混ぜ込めば、文字通り「水増し」になります。そのいい例がハムです。ハムに「卵、大豆、牛乳」のアレルギー表示のあるのがあります。大豆や卵、牛乳が使われるのはおかしいですね。大豆は、大豆から抽出された「大豆たんぱく」のことです。油と水を乳化して、固める性質があります。卵の白身の部分は火に入れると固まる性質があります。卵白から固まる成分だけを抽出します。これが「アルブミン」というたんぱく質です。牛乳は、牛乳に含まれる「カゼイン」というたんぱく質を化学処理したものが「カゼインNa」という添加物です。これらを調味液に溶かしこみ、さらに発色剤、コチニール色素、肉と肉との結着剤のポリリン酸塩、水あめ、ゼラチン等を溶かしこみ、生肉に注射し、よく揉んだ後、成型のチューブに入れ加熱すると肉に注射した水分が固まります。

2へ続く…

当会のハムは、増量はしていません。燻煙をしているので、むしろ減量になっています(笑)。食品を買う時には、どんなものが入っているのかを見る必要がありますね。
知りたい情報は流通段階で止まっている
2025.02.06
添加物に限らず、原料がどの国から輸入されているか、どの国で加工されているか、また遺伝子組み換えの農作物は使われているか、残留農薬の試験結果など、消費者にとってはとても関心が高いことのはず。また、表示されないキャリーオーバーの理由、一括表示の中身も気になりますね。これらの情報は、メーカーはこと細かに書類にして取引先に提出しています。商品カルテというA4サイズで4~5枚に及ぶ書類には、今述べた情報の他、配合表、使用添加物の品名と量、製造工程まで書かれています。しかし、それはラベルのスペースに限界があり、しかも表示の義務がないため、私たちの知りたい情報は、小売店の段階で止まってしまいます。裏ラベルにこれらを記載することはできなくても、パッケージのQRコードやホームページで見られるようにできるはず。一部のメーカーはQRコードからパソコンで企業のホームページを開き、原産国などを知ることができます。情報公開を丁寧に行っている企業ほど、信頼できるのではないでしょうか。
 2月、転勤の時期となっている。今年は転勤をする人が多いようだ。よく年配の方から、人生は短いと聞く。やっと短いかもと思い始めた(笑)。人は完璧ではない。失敗を必ずする。しかし、トライ&エラーの繰り返しを愉しみ、自分が嫌なことは相手にもなるべくしないということをモットーに歩んでいこうと考えている。自分がされたら嫌なことを交渉の材料として使う人もいるようだが、どうなんだろう?私はやりたくないが、最近、流行っているのかな(笑)。

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